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詩篇1篇

私訳

1:1 幸いである、その人。彼は
	邪悪な者たちの助言に従って歩まない
	罪人たちの生きる道にたたずまない
	嘲る者たちの集まる座に座らない。
1:2 まことに、主の教えは彼の喜び、
  その教えを彼は昼も夜も口ずさむ。
1:3 彼はまるで、水の流れのほとりに植えられた木のよう
	時に応じて実を結び、その葉は萎れることがない
  そのように彼はそのする全てのことに繁栄をもたらす
1:4 邪悪な者たちはそうではない
	実に風に飛ばされるもみ殻のようだ
1:5 だから、邪悪な者たちは裁きの中に立ち果せない
  罪人たちも義なる集いの中に立ち果せない
1:6 まことに、主は義なる者の道をご存じである
  しかし、邪悪な者たちの道は滅びる

第1篇の内容

1 正しい者とは...消極的説明(〜しない者)  憶えやすいように並べられている
	悪しき者、罪人、嘲る者 は神から離れて生きる者の描写
	はかりごと、道、座は考え方、生き方、姿勢などか
	歩む(実行)、立たず(習慣)、座る(安住)により段階的描写
2 正しい者は...積極的説明(〜する者)、その生活
	神の教え(律法)を自分の喜びとする > 嫌々従うのではない
	それを昼も夜も思う(口ずさむ、黙想する) > 心の深部まで及ぶ
3 正しい者はどうなるか(譬えを用いて)
	水路の側に植えられた木 > 時が来ると実を結ぶ
				  葉は決して凋まない
	そのように、することはみな栄える
4 悪しき者はどうなるか(譬えを用いて)
	もみ殻 > 風が吹くと吹き去られる > (全て無に帰する)
5 悪しき者は...その(信仰の民の社会における)生活
	審判(人の、神の)の時、立つことが出来ない(倒れる)
	義しきものの集い(集会よりも会衆)の中に立てない(離れ去る)
6 結論	正しいもの = 神が知っていてくださる
		悪しきもの = 滅びる (神は知っているが、) 「どちらを選ぶ?」

主題

正しい者は祝福を受け、悪しき者は滅びる > 神の定め
ところが、現実の社会を見るとそうではないのではという疑問。
正しい信仰者が苦難に遭う。それなのにどうして賛美ができるだろうか。
詩篇は、その多くが苦しみの中で歌われた詩。しかし、最後は賛美に至る。

知識や形式だけの賛美ではなく、苦しみの中から賛美に導かれる。それが恵み。多くの人に好んで読まれた理由がそこにある。私たちも自分の生活に当てはめて行きたい。

神の言葉(教え、詩篇も)を口ずさみ(黙想)、わが喜び(基準)とすることが秘訣




(c) Tomomichi Chiyozaki 千代崎備道 2003/09
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